富山県砺波市の立山酒造が、炭酸で割って楽しむことを前提にした日本酒「タテヤマサンダー」を発売します。
日本酒を炭酸水で割る「日本酒ハイボール」、いわゆる“酒ハイ”は、近年少しずつ注目されている飲み方です。日本酒の香りや旨みを残しながら、アルコール感を抑えて爽やかに楽しめるため、日本酒にあまり馴染みのない人にも飲みやすいスタイルとして広がりつつあります。
今回、立山酒造が開発した「タテヤマサンダー」は、そうした酒ハイをよりおいしく楽しむために造られた、炭酸割り専用の日本酒です。
炭酸で割っても風味や濃さが薄まりにくい日本酒
通常の日本酒は、そのまま飲むことを前提に造られています。そのため炭酸で割ると、甘みや酸味が薄く感じられたり、炭酸の泡によって香りが飛んでしまったりすることがあります。
「タテヤマサンダー」は、最初から炭酸で割ることを想定して開発された日本酒です。
立山酒造の岡本道雄社長によると、既存の日本酒との違いは「甘みと酸味の強さ」。炭酸を加えても日本酒本来のフルーティーな風味や味の濃さを損なわずに楽しめるように仕上げられています。
商品名は「立山」×「雷」でタテヤマサンダー
商品名の「タテヤマサンダー」は、立山酒造の「立山」と、炭酸の発泡感を表す「雷」を組み合わせたものです。
- 商品名:タテヤマサンダー
- 容量:720ml
- アルコール度数:16度
- 価格:1,700円(税抜き)
- 出荷本数:約3,000本
- 販売時期:7月ごろ
- 販売場所:全国の酒販店・飲食店など
炭酸で割ることでアルコール度数を抑えられるため、暑い季節にも爽やかに楽しめる一本になりそうです。
四段仕込みで炭酸に負けない味わいに
「タテヤマサンダー」の特徴のひとつが、仕込み方法です。
一般的な日本酒では、もろみを造る際に3回に分けて仕込む「三段仕込み」がよく用いられます。一方、「タテヤマサンダー」では4回に分けて仕込む「四段仕込み」を採用しています。
この四段仕込みによって、炭酸で割っても負けない味の濃さや甘みを実現。酒ハイにしたときにも、しっかりと日本酒らしさを感じられる設計になっています。
日本酒離れが進む中で、新しい飲み方を提案
立山酒造が炭酸割り用の日本酒を開発した背景には、日本酒の楽しみ方を広げたいという思いがあります。
農林水産省の資料によると、国内の日本酒出荷量は長期的に減少傾向が続いています。2024年の出荷量は37万8千キロリットルで、1998年の113万3千キロリットルと比べると、およそ3分の1まで落ち込んでいます。
ビールやワイン、ハイボール、チューハイなど選択肢が増える中で、日本酒は「少し難しそう」「アルコール感が強そう」と感じられることもあります。
だからこそ、炭酸で割って軽やかに楽しめる“酒ハイ”は、日本酒を普段あまり飲まない人にとっても入り口になりやすい飲み方です。
そのまま飲んでもおいしい一本
「タテヤマサンダー」は炭酸割り専用として開発されていますが、岡本社長は「炭酸で割らず、そのまま飲んでもおいしい」と話しています。
炭酸で割って爽やかに楽しむのはもちろん、まずはそのまま味わってから、炭酸で割ったときの変化を楽しむのもよさそうです。
日本酒好きにとっては、新しい飲み比べの楽しみ方が増える一本。日本酒初心者にとっては、酒ハイから日本酒に親しむきっかけになりそうです。
まとめ
富山県砺波市の立山酒造が発売する「タテヤマサンダー」は、炭酸で割ることを前提に造られた新しい日本酒です。
炭酸で割っても風味や濃さが損なわれにくいよう、甘みや酸味をしっかり持たせ、四段仕込みによって味わいの強さを引き出しています。
日本酒の出荷量が減少する中で、こうした新しい飲み方の提案は、日本酒をもっと自由に楽しむきっかけになりそうです。
暑い季節に、冷えた炭酸で割る「タテヤマサンダー」。日本酒の新しい入口として、注目したい一本です。

